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2007年5月 1日 (火)

受胎告知

 3月中旬にGW上京案の話が出た時真っ先に考えたのが、東京国立博物館で開催中のこの展覧会。本気で観るぞ!と意気込んでいたので、事前にNHKで「新日曜美術館」や「堪能レオナルド・ダ・ヴィンチ」もチェックしたりして。いつもは行き当りばったりの私にしては珍しく勤勉(?)で、とても楽しみにしていた。そして・・・

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4月29日(日)、本館第1会場の長蛇の列に並んでやっと目にした

「受胎告知」

ライトダウンされた会場の中で唯一スポットが当てられたそれを見て、目頭が熱くなった。

絵画そのものに対する感動。

500年の時を経て、海を越えて、日本でこうして対峙していること。

そしてそんな自分への陶酔(笑)・・・。もう色んなものがない交ぜとなっている感じだ。

宗教画は不思議だ。

人の手によるものなのに、描き手を離れると魂が吹き込まれて神さまそのもののように、神々しくありがたく思われる(絵画に限らず、像なんかについてもそう)。

「受胎告知」を前にして、もう1歩も動きたくない人、ひと、ヒト。とにかく凄い。

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第2会場の平成館にあるのは、ダ・ヴィンチの手稿をベースにした模型、複製などや映像ビデオなどで本物ではないが、興味深く楽しい。ここでは音声ガイドを借りてみることにした。音声ガイドの内容自体はキャプションと殆んど変わらないが、ヘッドホンをしていると周囲がざわついていても作品に集中できるし、薄暗い場内でキャプションを読むのが苦手なので、助かった(飽きっぽいお子さんや視力に自信のない方にはおすすめかも・・・)

両会場をじっくり観るのに2時間近くかかるが、あっという間に過ぎてしまった。第1会場で感動し、第2会場では楽しかった--という感じだ。また、第2会場をじっくり見て理解を深め気持ちを高めてから第1会場に行く、という手もある。ダ・ビンチに詳しくない、にわか仕込みの私なんかは、むしろその方がよかったかもしれない。

この日本で、アジアで、再び「受胎告知」を直に観る機会は、私が生きているうちにはもう来ないだろう。それを思うと、こんな素晴らしい大英断をしてくださった、イタリアという国の懐の深さと芸術・文化に対する積極的な姿勢に、ただただ感謝するのみです。

  • 音声ガイド→第1会場では借りなかったが、どうやら料金500円は両会場通しの料金らしい。機器自体は会場ごとに回収されるが料金支払い時に受け取る利用券があればよい。会場のどこかに注意書きされていたのだろうが、展示室入場時には混雑していてそこまでなかなか気づかなかった。でも、不思議と「損した」感がない。

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